ランエボという数奇(?)な車の基本的な詳細は、各所で説明書きがあるのでそちらを参考にしていただくとして、やはり国産最高クラスのパワーを備えるマシンであるということが一つにあるでしょう。これまで『CR−X』『ビート』と小型車を乗りなれた某にとって、ハイパワー車に対する憧憬が全くないとは言い切れないところがあったのは事実。そうなると大排気量NA車orターボ車のおおまかな二択となるわけです。選択肢としては前者がNSXやスープラ(NAモデル)、後者がGT−Rやスープラ(ターボモデル)・インプレッサそしてランエボ。もともと小型志向が強かったのと、今まで後部座席と縁がなかった反省(というほどではない)から4ドアを欲したこと。そしてやはりWRCの影響からエボ・インプの二択にと絞っていくことに。
(閑話休題)実際、WRCの影響が大きかったのではあるけれども、正直その中で一番欲したのは『プジョー206』であり、市販のボディーワークではなくワイドボディーキットを装着した、いわば『キットカー』モデル。ただ、これには若干の難があって、率直に言えばパワーが全然ない(市販ラインナップにはRCがあるが、それでも200馬力にも及ばない)ことと、2WDであること。2WDであることはそこまで問題ではないのだが、一度4WDというものを吟味したかったというのもあった。見た目で選べば206のキットカー仕様が最高だったが、子どもじみた理由ながらハイパワーに惹かれて選択肢から除外する結果となった。今思えば別にパワーなくてもいいや(S16クラスでも問題なし)と考えていたりもする。
ではインプにしなかった理由。インプレッサはメーカーが謳うように左右シンメトリカル4WDというバランスの優れた素地を持っている、いわば『正統派』。逆にエボはバランスの悪い横置きFFをベースに無理やり4WD化をすすめ、その悪いバランス特性から曲がらないとなれば電子制御の力を借りてまで車を曲がるようにしてしまおうとしたモデル、いうなれば『邪道』とでも言おうか、この対比が原点にある。もともと天邪鬼の素養を持つ(自称)某にすれば、バランスのよい正統派に対して、強引にすら思えるような電子制御をドーピングしながらインプレッサとしのぎを削ってきたランエボに肩入れしてしまいたくもなる。そこが最大のポイントだったかな。この点はハイパワーの代名詞であった当時のGT−Rやスープラを選ばなかったことにも通ずる理由だったかな(今思えば。その後エボ盗難の憂き目に遭うが、その際インプ購入を真剣に考えたことから実際両車に対する興味は、潜在的にほぼ半々だったのかもしれない、メーカーの好き嫌いを抜きにしても)。
ともあれその強引な思想(が本当に開発陣に存在したかどうかは別として)に男気(?)を感じてエボ購入を決意。モデルは見た目がシリーズ中もっともイカツく、その風貌はガンダム顔とまで評され、今も微妙に評価が高い5型にした。ここで5型に固執したのが良くもあり悪くもあるところとなる。