BMWの3日間モニター試乗記 (2006年11月某日)

インターネットでBMWの1週間モニター募集なんてイベントやってたもんだから、ほんの軽い気持ちで応募したところ市内のデーラー様より連絡がありまして「残念ですが、当選に漏れてしまいました」とご丁寧なコメント。外れたんなら連絡しなくてもいいだろと思いながら話を聞いていると、支店に持っている試乗車であれば1週間とまでは言えないが、3日間モニターで車両貸し出しができますよとの話が。これに乗ってしまうと、どうせ後で商談にもちこまれるのがオチなので断ろうかと思ったが、まぁ折角あちらがそう言ってくれるんだから、本当に軽〜い気持ちで前向きに返事をしておくと、後日マジで貸してくれましたよ、BMW。こんな貧乏エボ海苔風情によくそんな暴挙に出たなとある意味驚きつつ3日間、走り倒してみました。とはいえ、平日の貸し出しだったのでほとんど夜しか走らせるヒマなどなく、せいぜい走って400キロくらいでしたが 。

 
 
 

拝借したのは BMW323iMスポーツパッケージというモデルで、お値段にして500マソ弱のプライスです。今の3シリーズ(90型)って今ひとつピンとこないって言うのか、馴れないというのか。未だに3シリーズといえば46型って頭です。しかも赤ってのがまた目立つ目立つ。それこそ36型なんかは結構な数の赤い車体が売れたというモデルであったけど、これの赤は…普通じゃ買わんだろ(笑)。まぁ、試乗車としておろすくらいだから、客観的に視認性にすぐれる赤を出しとけっていうデーラー様の配慮なのだと解釈しておきましょう。



んで、このBMさんですが、18インチのホイールがデカいっ。しかもMスポーツパッケージなので、車高も若干低くなっていて、見た感じはなかなかなサイドビューです。ちなみに車体の寸法はエボよりも一回りデカイ。なのに据えきりなどの最小回転半径は圧倒的にBMが小回りが利く。さすが直6の面目躍如、しかもフロントオーバーハングがめちゃ短い。この取り回しだけは関心したもんでした。この時点で『だけ』って表現するくらいなので、大半が批判的なレポートになるであろうことは簡単に推測できますよね??
オーディオはMDユニットとCDチェンジャーって言うので、旅のおともにジャミロのCD買ってみました。そしたらこのCDチェンジャー、生意気にもMP3再生対応だったってことが車体返却時前に判明。そんなことならエボからCD持って降りてりゃよかった…。


 
 
 

Mスポーツパッケージになるとどう違うのかと言うと、18インチホイールがついて専用バンパー(デザインが若干違う)ついて、専用のローダウン仕様になって、お約束のMのプレートがステアリングなどに付着しています。もちろん、マジMではないのでフェンダーにダクトは無しです。この18インチが結構曲者で、こいつの責任なのかどうかは知らないけどクルマが直進してくれません、てか、直進安定性がすこぶる悪い。ちょっとした轍ですぐに足を取られる。私のエボもたいがい真っ直ぐはしらないことで有名だが、400マソ↑の車がこれではorz…それとランフラットタイヤ装着なのもその要因の一つなのかも。ただし、乗り心地に関しては、締め上げた足とは言うものの、車高調搭載エボよりもはるかに良く、嫁はたいそうご機嫌でした。その上接地感が良く、ステアリングからのインフォメーションはすこぶる良好、このあたりがBMのBMたる所以か。当然、エボのような奇妙奇天烈なステアリングフィールではなく、それこそニュートラルなレスポンスの良いハンドリング。まさに駆け抜ける歓び万歳。
因みに、上写真2段目左のステアリングの隙間に見える赤いボタンがエンジンスタートスイッチです。これ押すとプルルンとエンジンかかります。でも全く高揚感は伴いませんのであしからず。




室内は寸法相応より若干タイトな感じ。それだけボディがごついとでも言えるんではなかろうか。剛性も十分で、リアも広々。ただ、シート形状がどうも身に合わないらしく、結局最後までシートポジションが決まらなかった。どうやらドイツ製のシートとは相性が悪いらしい(レカロ含む)。内装は46に比べて質感は向上。まぁ、良くも悪くもらしさがある内装。ステアリングは非常に馴染みのいいモノでした 。

 

エンジンは直6の2.5リッター。まぁ、この重量の車走らせるには必要十分といったとことですかね。普段暴力的なフィーリングにどっぷり浸かった生活送ってるもんで、このような(それこそシルキー6と呼ばれるが如く)滑らかな、スムーズなエンジンに乗ると、恐ろしく高級感を感じてしまう自分が情けない(笑)。それでいて、いざアクセル踏み込むと気持ちよいエンジン音響かせてくれるのがBMクオリティ。それと、今回もう一つ関心したのは電子制御スロットル。並の電制スロットルは停止からの発進時にレスポンスが遅れるという癖がどうやらあるらしい。最近で言うとスイフトやアクセラのターボなんか乗ったときに、やはりというか何というか、その癖がモロに出ているのを体感してきたばっか。踏みなおし時のレスポンスはいいんだが、ここだきゃぁねぇ。ところがBM様はこれが気にならないレベルまで反応が速い。恐らくはバルブトロニックの仕業であろう。バルブトロニックのメリットとして、バタフライを使わない事でアクセルレスポンスの向上が認められるのだそうで、その恩恵もあったんだろう、この悪癖を見事に打ち消していると思われる。なかなかやってくれるな、ドイツ風情め。でも車自体は全然速くはないですよ(市街地走行時)。高速域が得意かと思いきや、さほどではなかったのがちと残念なところ。しかも前述の直進安定性の悪さが顔を出して、飛ばしても一向に安定せず、結構手に汗握るらせてくれる。しかも高速で後ろから来たアクセラごとき平民車にブチ抜かれ、追っかけようにも加速が想像以上に鈍く逃げられたし…。少なくとも、この手の車のは速さを求めてはいけないって事を改めて認識できたことを有難く思うことにしとこう 。

 


平日のモニターで、昼間全くといっていいほど乗れてなかったので、夜中にわざわざ大分の温泉まで行ってまいりました。もちろん夜中の温泉といえば観音岩です(定番・笑)。その間、市街地・高速・峠道とブン回してきましたが、さすがに高級車、それなりに道中は快適でした。帰り道に突然鹿が見の前に飛び出してきた時はさすがにヒヤリとしたものの、ABSの効きといい、その際の車体の身のこなしは流石。まぁ、これの500弱出して買おうとまでは思わない内容なのも実際のところではあるかな。半分ブランド買うようなもんだし。
そしてモニター終了後、案の定というかお約束というか、商談に持ち込まれました。当然購入予定なんぞはないと毅然とした対応をとった私。これ500で買うくらいなら、そこそこ程度の46M3買うっちゅうねん。わざわざ上司の方出てきてましたが、残念ながらこういったユーザーが脈なさげなのはさすがに解ってるんでしょうね、ゴリ押しせず速攻で去っていきました。あと20年くらい歳取ってたら買ってたかも…と、いちおフォローいれときましょう。


 

ブログにも箇条書きで感想をつらつら述べてますけど、いつブログ閉鎖するかわかったもんではないので
こちらに転記しておきます↓

車両返却後、帰りにわがエボに乗り帰路についたときの感想。

旅客機から戦闘機に乗り換えたような気分です(戦闘機乗ったことないのはいわずもがな)。

まぁ、すべてがガサツなんだが軽快で恐ろしくよく吹けるターボエンジンと、

湧き上がるパワーが懐かしい。

・さすが、室内は広く質感もそこそこ(46よりも向上している)。

・FRであること、重量配分が良いことの恩恵を受けられる。

 旋回性能は同サイズのFF及び横置きエンジン車よりも断然楽。

 つまり、小回りがきく。

・それに付随してよく曲がる。

 返却後にエボで旋回していると、すさまじく違和感を覚える。

 ただし、これはエボが曲がらないと言っているわけではなく、

 曲げる作業に対するアプローチの違いが明確なだけ。

・後方視界が悪い。ケツ上がりのスタイルのせいであろう。

・フォグランプ、まぁいらない機能だろうな(フロント側)。

・真直ぐ走らない、轍にハンドルとられまくり。

 理由はMスポパッケージの足回り設定とランフラットタイヤ、

 そしてオプションの18インチを履いていたためと思われるが、

 舗装の悪い道が多い九州道ではかなり神経質になる。

 まして、デコボコの大分道なんぞはすっ飛ばそうもんなら汗かきまくる。

・ベンツは鼻くそほじりながら片手で軽くすっとばせる車、

 BMWはある程度の緊張感を常にドライバーに要求する車だということがわかった。

・シートの背骨があたる部分が微妙にふくらんでおり、

 猫背気味の私には結局最後までシート位置が合わなかった。

 なので、常に落ち着かない状態に終始し、背中が痛くて仕方なかった。

・ノーマルオーディオはオマケ同然、CDチェンジャーがMP3対応なのがせめてもの救い。

 今時MDはないだろう(てか金持ちはMDなぞ使わない)。

・AUX出力があるので、今時のiPODなどは使えるのは○。

・ステアリングは太くてしっくりくるが、操舵がやや重め。

・チルトはあるがテレスコはついていない。

・静粛性はいわずもがな。

・確かにボディの剛性はすばらしい。

 足回り、エンジン、ボディのバランスは絶妙で

 意外にもどこか一部が特にとがっていたりはしない。

・ドアがやはり重い。さすがに安全性は高いのであろう。

・ロードホールディング性能も秀逸。固めの足回りながら跳ねる心配などは無用。

・スタビリティコントロールがついているが、結構無茶しても介入してこない。

 つまり、基本の段階でスタビリティが高い。

 130あたりは介入しまくるらしいが…。

・ブレーキが結構効く。日本にこびているのか初期制動からきっちり効く。

・オートマのDレンジのプログラムがいただけない。

 静粛性を重視してるのか、シフトアップが全般的に早く、

 1速から速攻で2速に上げてしまうプログラムになっているため、

 ゆるく発進すると加速に違和感を感じてきもちわるい。

・そのかわり、DSレンジの出来はかなり良い。

 ここで6速が生きてくる。

 トルクバンドがだいたい3000回転あたりのエンジンなのだが、
常にそのあたりに回転をキープしようとするセッティングのため、踏めばすぐにトルクが立ち上がって気持ちの良い加速をする。

 峠道なぞはDSにしとけば結構楽しく走れる。

・更にDSの出来がすばらしいゆえ、マニュアルモードは全然ダメ。

 国産リッターカー並の性能で、特筆すべき魅力はない、というかこの機能ははっきり言って不要。

 アルファ147などのマニュアル機能などとは天地の差がある。

 故にDとDSレンジだけで十分。

・500万の車の割には、エンジンが正直物足りない。

 某所で後方からアク○ラがすっ飛ばして抜いていきやがったので、ついていこうと思いアクセル全開。

しかし差が一向に縮まらず気づけばぬおわキロ越えてたので減速。

 しかも荒れた路面のため、ハンドルとられまくりで怖いのなんの。エボならあっさりおいついていたであろう。ちょっと一敗地にまみれた気分になった。

・シルキー6と言われるだけのことはあるスムーズなフィーリングの直6、エボのエンジンががさつ極まりなく思える。

・ただし、このスムーズさを求めるなら323でもいいだろうが、パワーも欲しければ直6のハイエンドモデルに乗らないと必ず後悔しそう。

・普段エボの乗り心地を味わっている嫁に言わせれば「いい乗り心地」

 普段13年落ちのアコードにしか乗らない母にいわせれば「500万の車の割には乗り心地が悪い」だそうな。

 高級車の乗り心地を手に入れたければ、間違ってもMスポパッケージと18インチだけはチョイスしてはいけない。

 同乗者にとってはMパッケージなどはどうでも良いオプションの典型。

 それはあくまでドライバーの満足を満たすもの。

・駆動方式の差はあれど、トータルの動力性能だと国産ならレガシィがいい勝負していると思う。

 内装にやや物足りなさを感じるが、

 レガシイの乗り味は結構いい線いってると改めて認識。

 金額差はブランド料と若干の快適機能だと考えると、

 無印同士で比較すれば必ずしもBMW(323i)が良くできてるとはいいがたい。

・なので、500万でこの2.5リッターエンジンなのは?という結論になる。

・ちなみに、500出す気があるなら130iMスポも射程距離になる。

 走りにこだわるのであれば絶対130にするべき。

・間違ってワイパーを動かした回数→2回

・間違ってウォッシャーつかってしまった回数→1回

・実質燃費はだいたい7〜8ちょいあたりだろう。そんなもんだろな。

・ATでしかも静粛性が高いということで、一般道でも簡単に睡魔が襲ってくる。

 ドライバーがそうなった時に身の危うさを案じたのか、

 珍しく嫁が道中眠らずに会話を仕掛けてきた。感謝。

・だが、必死に眠さこらえての会話のため、その内容はほぼ中身がない事に終始。




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