友人主催のカブトムシ捕獲ツアーin大分に同行 (2006年8月某日)

その昔…
とある友人Aが言った話にこんな内容のものがありました。

『こないだ彼(以下Kと称します)と大分に行ったんよ。何しに行ったかって?いやぁ、夜中にカブトムシ捕まえに行かないかって誘われたもんだから、ちょっと面白そうなんでついて行ってきた。まぁ、彼曰くスポットが大分の方に点在しているらしく、そこらをルート営業よろしくまわってカブトムシやらクワガタやらを捕獲に行くんだってさ。
で、行ってみたんだけど、彼ねぇ。走行中、あれ何キロぐらい出てたかなぁ、まぁオワkm以上は出てたと思うよ、夜で交通量も少なかったし。それで走行中に突然ブレーキ踏むのね、キキィーって。そして、おもむろにバックし始めて自販機のところまで車戻したわけ。どうしたん?って聞くと彼が言うに「いまそこの自販機のところにカブトムシ(雌)がひっくり返ってるのが見えた」って言うわけ。
で、車降りて自販機に近寄っていくと、ほんとに雌のカブトムシがひっくりかえってた(笑)。もうね、なんて言うか、神業に近いもんがあるよ。普通走行中に見つけたりしないでしょ。歩きながら目こらして見つけるならわかるけど、いきなり車からやからね。ありゃ頭おかしいとしか言いようがない技術やね(笑)。』

これ聞いて即座に「そんな奴おらへんやろ(by大木こだま)」て聞いていた者ども総突っ込みだった訳ですが、そのKという友人、ちょっと変わった御仁なので、あながち嘘でもないかもしれないという期待感だけは持たせてくれるような器の持ち主です。
ともあれ、それはちと誇張表現ではないかとも思えるわけで、そうなると真偽の程をこの目で確認しなければと思うのが人情でして…。そしてこの度、数年越しでこのツアー同行の機会を得ましたので一緒に夜中行ってきました。結論から言うと、その友人Aの言うとおりだったわけですが(笑)。 



暗闇の中率先して獲物を探す友人、私はついていくのみであります

話を友人K(以下K)に聞くと、どうやら数箇所ポイントがあるらしくそこで毎年捕獲業務(?)を行っているとか(彼は自宅にカブト・クワガタを飼育している)で、それをまず回っていこうと。で、後はいそうな所をゲリラ的に寄り道するという今回のツアー内容だったわけです。ただ、K曰く最近は乱獲が進んでいるのか(本当か?)昔ほど捕獲できないんだそうですよ、虫くんたち。なのであまり期待しないでくれと釘を刺されました。まぁ、こちとらカブトムシ自体にはほぼ興味ゼロなので全然かまわないんですけど
そんなこんなで夜中に大分方面に車を走らせていくわけで、その道すがらポイントに寄っては車降りて集まりそうな場所を探索していきます。が、やはり今回はいない、発見できない。まぁ、時期も時期(盆過ぎ)だったのでそれも無理はないでしょう。それでもどんどん奥へとすすんで行くのみです。それでここは居ないと確認して再出発し、次なるポイントへと移動。で、その瞬間がやってくるんですね。


こんな自販機の明かりのもとに


雌カブトがいたりするんですねぇ;;


同じこと書くのめんどいので、内容は上の導入あたりと全く同じことが起こったと思ってください(笑)。いやはや、マジスゲーよ。最初急に路肩に止まるんでどうしたのかと思ったら、突如バックし始めてあとはそんな感じでした。やはり「走行中にカブトムシ(雌)がひっくり返ってるのが見えたので、ブレーキかけた。」のだそうです。しかも、こんな事が4・5回ほどありましたかね、ほぼ真っ暗な大分の田舎道をそれこそメーター読みでユワkmくらいは出てたようですけど、それからいきなりの停車、で確認に行くとほんとに虫がいる…という頭のおかしいとしかいいようのない事態の連続。


大分のカブトムシは人懐っこいんだそうです(嘘)

ただ、よーく考えてみると、Kはすこぶる視力がよろしいので、目がいい(又は動体視力がすぐれている)と誰でもこんなことできるんではないだろうかと。しかも、彼が発見するのはたいてい自販機のあたりで、周り真っ暗な中ぽつんと光る自販機の明かりのところだけ注意して見ていれば、案外とわかるもんなのではなかろうかと。それならそこまで大袈裟に言うほどの内容ではないんですよ。

ただ彼のすごいのは、その光の中に見える黒い物体(走行中に見るとそれこそ微小なサイズの黒い斑点)が確実に虫であると判別できる点。ややもすると、その物体が石だったり葉っぱだったりして見間違うことがあっても普通なんでしょうが、Kは違う。虫と確信して車止めてる、しかも、なぜ虫とわかったのかと聞くと「動いているのが見えた」とまで言い切る始末。おいおい、絶対そんなの見えないって、常人にはさぁ(笑)。それに加えて「何か虫らしきものが見えた」とか言う抽象的な表現ではなく「あそこにメスカブトがひっくり返ってる」とすこぶる具体的に言い切るし。

その後松原ダムに車を停め、近辺の道路や橋の脇などを入念に探索してみましたが、ほとんどが死骸あるいはカミキリでカブトは1匹雌が生存確認できたくらいだったか。しかし、深夜の松原ダムはなんか怖いですな、手すりすんごい貧弱だし、歩道ないし。おまけに明かりなんかは当然のようにありません(笑)。もう真っ暗。


こんな自販機の明かりのところにも


見えにくいですが、やはりいました雌カブト(笑)

今回そんなパターンで発見したのはメスカブト数匹とノコギリカミキリ数匹。あとはカブトやクワガタの死骸を多数道中に発見。いちいち説明してくれました、どれがどれで、その死因まで予想の範囲内ながら解説を加えて。ここまでくると、その死因がたとえ嘘っぱちや口から出任せだろうが、信用してみようという気にさせられるだけの説得力が今までの行動の中に十分に織り込まれているのは言うまでもありません。結局この日は雄のカブトムシは発見できず、道中雌カブトを数匹と杖立温泉でクワガタ(水牛)を1匹という寂しい内容でありました。死骸は腐るほど落ちてましたけど(クワガタの頭部だけとか)、あまりに不作だったんで、Kもすべてリリースして(特にクワガタってのは結構すぐに死ぬんだそうで、最悪搬送中にお亡くなりになるほどだとか…)今回お持ち帰りはゼロという結果に。そうやってカブトムシのケツを追っかけているうちに、気がつくと杖立温泉までやってきてしまいましたんで、せっかくだからと温泉に浸かって帰りました。

 
野良の水牛(クワガタ)なんて十数年ぶりに目撃しました…

友人Aの言うとおり、それはそれは驚かされるシーンの連続だったわけですが、よくよく考えてみると、走行中にほぼフルタイムでよそ見しているんですよね、K。よそ見=カブトムシ探しなわけですから、よそ見しないとそんな芸当できないわけで。しかも相当なペースで巡航してるし。いやぁ、冷静に考えるとちょっと怖い…私はもう2度とこのツアーに参加することはないでしょう(笑)。


深夜の杖立温泉ですが、光料たりなくて真っ暗です、実際も結構真っ暗ですが


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